畑を耕せ、森へ帰れ 2009 1 12

書名 世界金融恐慌序曲
著者 大竹 愼一  ビジネス社

 この本は、タイトルとは大きく違って、
終章では、「畑を耕せ、森へ帰れ 日本再生への一歩」で終わるのです。

 畑を捨て、森を捨て、工業を選んでも、工業は冷たい。
景気が悪くなれば、仕事がなくなる。
 しかし、それが、工業の宿命。
畑を捨て、森を捨て、工業で働くならば、
いつも景気変動に怯えていなければならない。
 昨年だったでしょうか。
テレビで、信州の野辺山の高原野菜は、
中国人研修生という労働力がなければ成り立たないというニュースを見て、
驚きました。
私が大学生の頃は、それは、人気のアルバイトだったからです。
朝は早いかもしれませんが、高原で働いて、夏は涼しく、
三食付で、当時は月10万円だったと思います。
 どうして、今の若者は農業を嫌うのか。
畑を捨て、森を捨て、都会へ出ても、
今の都会は、頭脳労働が主流です。
優秀な頭脳がなければ、あるいは特技がなければ、
単純労働しかないのです。
 そして、工業は冷たい。
景気がいい時は、温かく見えても、それは表の顔。
工業で働くならば、
いつも景気変動に怯えていなければならない。
 昔も、そうだったのです。
景気がよければ、農村に、「出稼ぎ」という期間労働者の仕事がやってきましたが、
景気が悪くなれば、「あれは夢幻だったのか」と思うほど、「出稼ぎ」の仕事は消え、
また畑を耕す。
そして、また景気がよくなれば、「出稼ぎ」という仕事がやってきて・・・・・。
畑を捨て、森を捨て、工業を選んでも、工業は冷たい。

















































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